CAMPHOR-についてここらでひとこと言っておくか

京都のIT系学生コミュニティ「CAMPHOR-(カンファー)」に私が出入りするようになったのは2016年の冬なので,足掛け4年ほどCAMPHOR-に関わっていたことになります.

この記事では,CAMPHOR-について説明した後,私がCAMPHOR-に感じた魅力を語ります.

※この記事はポエムです

CAMPHOR-とは何か

CAMPHOR-とは,京都のIT系学生のコミュニティです.ここで「IT系学生」とは,主にエンジニアやデザイナーのことを指します*1. コミュニティの活動の場として,京大のすぐ近くにある町家を利用して,CAMPHOR- HOUSEという空間を提供しています*2

CAMPHOR- HOUSEは,週に2~3日ぐらい,大体15:00~18:00ぐらいの時間帯に開館しており*3,学生なら誰でも,事前の連絡なく自由に出入りできます. 開館時間には学生がやってきて,自分の作業をしたり,ITに関して雑談*4をしたりします.

私がCAMPHOR-に関わるようになった経緯

私がCAMPHOR-に関わるようになった直接的な理由は,シバニャン(@_6v_)に誘われたことです.

当時僕はHaskellにハマっていて,熊野寮祭の公式WebページHakyllという静的サイトジェネレーターで作っていました. これがCAMPHOR-のSlackのHaskellチャンネルで話題になり,どうやらこれを作った奴はシバニャンの知り合いらしいということで,開館日に連れてこられました.

初めてCAMPHOR-に行った日は人が沢山いて楽しくお話をしたのですが,その中でも特に @ymyzk が見せてくれた wsgi_lineprofに衝撃を受けました. それまで僕は簡単なWebアプリケーションぐらいは作ったことがありましたが,ライブラリは作ったことがなく,ましてやそれを人々が使える形で公開したことなどありませんでした. さらにwsgi_lineprof はCの拡張で記述されており,Pythonが書ける自分でも内容が全く理解できませんでした. こんな高度な技術力を持つ人がいて凄いコミュニティだなあと素朴に感動したのを覚えています.

また,これとは別に,プログラミングについて語り合えるコミュニティが欲しいと考えていた時期でもありました. というのも,それまで僕は一人でずっとプログラミングをやっていて,プログラマーの知り合いというのがほとんどいなかったからです. そのため,自分がやってることが正しいのかわからないし,面白そうな技術について議論することもできないので,フラストレーションが溜まっていました.

プログラミングのアルバイトもやっていて,色々教えてもらえて非常にためになりました*5が,業務範囲外のことについて教えてもらえるわけではなかったし,アルバイト先の社員さんは社会人で基本的に忙しいので,満足がいくまでプログラミングについて語り合えるわけではありませんでした.

そうした中でCAMPHOR-というコミュニティに誘ってもらい,強く興味を持ちました. そして,忘年会に参加したりして親交を深めた後,色々あって運営メンバーになりました.

CAMPHOR-の魅力

これは,人間の興味一般に言えることだと思いますが,人間の興味というのは,もともと自分ができたことや興味があったこと以外には広がりません*6. そして人間は,興味が無いことを自発的に勉強しようとは思いません. 新しいことに手を出すときというのは,何かしらの「外部の力」が働いたときです. CAMPHOR-は,そのような「外部の力」を僕に及ぼしてくれました.

CAMPHOR-の魅力は,HOUSEでの雑談個人での活動 がいい感じに影響を及ぼしあって,結果としてコミュニティ自体も参加する個人もレベルが上っていくという構造にあると思います.

実際に僕も,CAMPHOR-での雑談から様々な影響を受けました.例えば僕は, @tomoyat1 に影響を受け,システムプログラミングに興味を持ち,学びはじめました.その成果が表れたのが先日の「入門 シェル」というタイトルの発表で*7,主にOSの仕組みという観点から,シェルの作り方について解説しました.

他にも,@yu-i9 に影響されて言語処理系に興味を持ち,LISP方言の処理系を実装したり*8@ishiy@ymyzkの影響でRustを使うようになったり,@tomokortn良い入門書を教えてもらってデザインを学んでみたり,と様々な影響を得て,自身の学習に繋げることができました.

逆に,僕がCAMPHOR-に及ぼした影響*9としては,Web開発の知見を共有したということがあります. 特に,初心者がどうやってWeb開発を始めるべきか,ということについてかなりアドバイスできたと思います. 例えば,Railsから始めて挫折してしまった人に,Webアプリを構成する要素 ― HTML,CSS,DB,HTTP,プログラミング ― を学んだ後にRailsを学ぶべきだと伝えたり*10,実現したい要件によっては,静的サイトジェネレータの存在を教えたり,単に静的なHTMLファイルを作るところから始めてはどうかとアドバイスしたりしました.

CAMPHOR-の魅力を伝えることの難しさ

上でも書いたとおり,CAMPHOR-の魅力というのは,魅力的な学生の関係性から繰り出される雑談にあると思うんですが,これを説明するのって難しいんですよね.公式HPが分かりづらいっていう話はいろいろ聞いてはいるんですが,そもそもCAMPHOR-の活動自体が分かりづらいので仕方がない.

だって「魅力的な学生の関係性から繰り出される雑談を活動として行っています」なんて公式HPに書けなくないですか?もともとデザインがシャレオツ過ぎて一部の人間に抵抗感を引き起こしているところに,「魅力的な学生の関係性から繰り出される雑談を活動として行っています」なんて書いたら,一発で意識高い系団体だと思われちゃうじゃないですかやだー*11

でも絶対いい場所だと思うんですよ,CAMPHOR-.B4とかM2になって来月から就職ですなんてタイミングで訪問してきて「もっと早く来ればよかった」って言う人も結構いるし,それはとても残念だと思ってます*12

CAMPHOR-を正しく理解してもらって,こういう悲劇をなくしていきたい.そのためには,CAMPHOR-のメンバーが自分が感じたCAMPHOR-の魅力を自分の言葉で発信していくというのが大事だと思う*13.そういう気持ちで今このブログを書いてる.

でも結局CAMPHOR-の良さみたいなのは一回来てもらわなきゃわからんだろうという気持ちも一方ではあるんですよね.一回来てもらうための手段としてCAMPHOR-のメンバーのブランディングをやっていくというのは非常に有効な手段ではあると思うのだけれど.

まとめ

そういうわけでCAMPHOR-に興味を持った学生の皆さん,是非一度遊びに来てください! CAMPHOR- HOUSEの場所はここで,開館時間はこんな感じです.

どんな人がいるのか気になるという人は,MembersMembers' Blogをチェックしてみてください. きっと興味の近い学生がいると思います.

CAMPHOR-よいとこ一度はおいで.

camph.net

*1:歴史的にはこれに加えて「起業家」というロールの学生も多くいたようですが,ここ数年はあまり見かけません.というか,近頃の起業家を目指す学生はエンジニアになりがちという話な気もする.

*2:京大のすぐ近くに拠点があるとはいっても,CAMPHOR-は京大生限定の団体ではありません.実際に,京都大学以外の大学の学生も多く出入りしています(See members).

*3:2019年3月現在

*4:最近流行りの技術,最近作ったアプリケーションの話,分からない所を聞くなど

*5:雇ってくれた株式会社Spookies様には本当に感謝しています

*6:少なくとも自分はそう

*7: CAMPHOR- DAY 2019

*8:中途半端なところで終わっていますが...

*9:ここに関しては完全に僕の想像なので,向こうがどう思ってるかはわからない.僕に何かしらの影響を受けたと思ってる人はその内容をブログに書いてほしい.

*10:その順序でないとRailsは理解できないと考えているため

*11:実際大昔にCAMPHOR-の公式HPを見たことがあるのだが,その時は意識高い系団体がなんかやっとるなぐらいにしか思ってなかった

*12:最近も新しいメンバーが一気に増えてきてさらに面白い感じになってきてるんですが,僕は4月から就職なのでもう関われないのが悲しいです.一周回って腹が立ってくる.2年前にやれ

*13:CAMPHOR-にはこういう人がおるでというのを知らせる意味でも個人の発信は大事(=ブランディング)